こんにちは。
損害保険の代理店って日々どんな仕事をしているのか、疑問に思う方もいるかと思いまして、実際に行っていることを今回はお伝え出来たらなと思います。個人情報の問題があるので、特定されないように実際とは少し内容を変更してお届けしている点はご了承ください。
今回は、とあるアパート(賃貸用)の1室で恐らく床下の配管(給湯管)の破損による漏水事故が発生したということで、鑑定人※と一緒に現地に訪問致しました。まだ床を剥がす前の状態でしたが、床がペコペコして、浮き上がっていたので、訪問すると漏水が起きていることが分かります。また、給湯器の元栓を開けると、メーターが回っており、音もすることからどこかで漏れていることが分かります。
今回は不幸中の幸いでしたが、事故が発生したのが1階でしたので、下の階への漏水にはならなかったという点は大いに助かりました。
漏水事故の最も怖いところは、上から下に水は流れるので、例えば5階で漏水事故が起きると、水の量が多ければ1階まで漏水してしまうという可能性があることです。4階、3階、2階、1階と被害があると、これは大変な事故になります。建物の所有者は、代わりに住むためのホテルや住宅の費用についても負担する必要があり、それこそ大変な対応になります。施設賠償責任保険が必要な理由はこうしたリスクがあるからなのです。配管については、特に注意を払ってみないといけないのです。
※鑑定人とは、火災保険の保険金を請求する際に保険会社に委託された現地調査や査定を行う人達です。
代理店が同行しなければならない訳ではございませんが、鑑定人と代理店が一緒に現場に訪問することで、スムーズに保険請求が可能になるので、当社ではなるべく現地に行くようにしています。
中古物件を購入する際の配管のリスクは大きい
やはり、中古でアパートなどをオーナーチェンジで購入すると、配管のリスクはなかなか購入前に調べられない部分です。
一度事故が起きて、はじめて床や天井を剥がして、どのような配管なのかを確認します。
そこでこういう配管の配置になっていたのかという点や配管の素材を理解することも多いのではないでしょうか。
今回の物件は、配管の素材が鉄管でしたので、鉄管はさびやすいというデメリットがあります。注意が必要です。購入前に配管の素材については、確認が出来れば確認した方が良いでしょう。
鉄管は近年腐食しにくい素材への変更が進む傾向にあるそうですが、事故があって初めて交換するということも多いのが実態でしょう。
まず漏水事故が起きると、どこから水が漏れているのか確認をしなければなりません。それが原因調査、解体工事と言われる費用になります。
原因調査費用が出る火災保険かどうかは確認しておいた方が良い
実は、火災保険の加入時期によっては、原因調査費用が補償されない場合があるのです。
ある保険会社では、保険始期が2021年1月1日以降の場合には対象となります。
それよりも前の始期日のケースでは補償されませんので、注意しましょう。
原因調査費用の補償が無かった時は、臨時費用保険金という火災保険の認定金額が決まった後に、その金額の10%~30%を上乗せしてもらえる特約があるのですが、それで補ってくださいということだったみたいです。因みに、現在も臨時費用はございます。
しかしながら、臨時費用保険金についてもある保険会社では、2019年10月の改定で20%および30%のプランについては、販売停止がなされているので注意が必要です。
昨今、火災保険は大幅な値上げをしております。2020年12月31日以前が始期日の火災保険については、
見直すことで保険料が大幅に上がるケースもございますので、どの程度の保険料のアップかどうかを確認して、見直しをするかどうかを決断した方が良いでしょう。
ただ、原因調査費用は漏水事故で、とても必要な補償なので、特に築古物件については注意をした方がいいのではないでしょうか。
まとめ
配管は共同住宅の場合には特に建物内部にあることが多く、一戸建てよりも修繕しにくい点が問題でしょう。
建物内部にあるため、どのぐらい錆びていたり、古くなっているかが分からない点が大きなリスクです。
そして、オーナーチェンジである場合には部屋の中を見れないですから、そのあたりのリスクを認識した上で、投資をする必要があるのです。築古物件は利回りが高いということはその分リスクが高いことを理解しましょう。
配管の素材や配置図を理解し、築古物件の不動産投資を行う際には、配管の交換費用なども見積をした上で、利回りを計算しておく必要があるでしょう。
いずれにしても、漏水事故が起きると入居者に迷惑をかけてしまいますので、それらの対応は結構大変なようです。古い物件を購入したなら、管理会社を必ずつけましょう。ただ、管理会社が優秀でもオーナーは金銭だけでなく、精神的な負担もあります。
保険は、金銭の補償しかできませんが、代理店としては、オーナー様の精神的な負担を少なく出来るように事故対応を真剣に行っていくことが重要ではないでしょうか。
本記事は保険商品の勧誘を目的としたものではありません
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