今回は、今話題になっている戦争の問題を取り上げたいと思います。
ロシアがウクライナに侵攻を行い、実際に令和の時代に戦争が起きているのですが、まさかこんなことが起きるか?と思った人は多いのではないでしょうか。
私もその一人です。
日本では、北朝鮮がミサイルを打ちましたというニュースがありますが、結局日本に被害を与えているケースは全くなく、戦争になることは無いのだろうなと思っていました。
平和ボケをしていた訳ですが、ロシアが実際に今、ウクライナに侵攻を始めたのです。
実際の映像を見ると、ミサイルで家が倒壊したら、人が亡くなってしまったりといった被害が出ています。
まずは、ウクライナの被害者の方にお見舞い申し上げます。
こうした戦争の被害を受けた際に、保険の扱いはどのようになっているのでしょうか?
日本も戦争が今後一切ないとは言い切れない状況になりました。中国とロシアに隣接している国として、知っておいた方が良いと思い、記事にしました。
それでは、解説していきます。
ミサイルで家が倒壊。火災保険はどうなる?
まずは、戦争時の火災保険の補償の可否について、説明をします。
結論から申し上げると、戦争は補償対象外となります。
火災保険は約款に基づいて契約を行います。
約款には、「保険金をお支払いできない場合」という欄があり、その中に下記記載があります。
戦争、内乱その他これらに類似の事変または暴動による損害
※出典:損保ジャパン 個人用火災総合保険パンフレットP18を参照
つまり、戦争で起きた被害は、火災保険では補償対象外の事故となります。
やはり、戦争が発生すると被害は広範囲且つ、非常に大きな被害が起きる可能性があるため、保険会社としても損害額を計算ができないため、対象外としてるのでしょうか。
諦めるしかないでしょう。
ミサイルや銃で撃たれて死亡。生命保険はどうなる?
次に、戦争時の生命保険の保障の可否について解説します。
結論から申し上げますと、生命保険は戦争でお亡くなりになった場合も対象となります。
ただし、戦争の被害状況によっては、受け取る保険金額が削減される可能性があります。
保険契約は全て約款に基づくようになっています。
その約款では、下記文言の記載があります。
被保険者が、戦争その他の変乱により死亡し、または高度障害状態に該当した場合に、その原因により死亡し、または高度障害状態に該当した被保険者の数の増加が、この保険の計算の基礎に影響を及ぼすと会社が認めたときは、会社は、死亡保険金または高度障害保険金を削減して支払います。
ただし、この場合でも、責任準備金※相当額を下まわることはありません。
出典:SOMPOひまわり生命 定期保険 約款参照
※責任準備金とは、保険会社が保険金を確実に支払うために、保険会社が保険料の中から積み立てるお金のことを言います。
やはり、保険会社としては、戦争で大多数の人が亡くなった場合、保険会社がその全員に支払いできない恐れがあるため(全員に支払いすると保険会社が存続できないため)、保険金額を減らして支払いますということなのでしょう。
戦争はいつ発生して、どのくらいの損害額になるのかという事が全く想定出来ませんので、保険会社としても自社の経営を守る上で、制約を設けているのでしょうか。
戦争でミサイルに打たれて入院。医療保険はどうなる?
結論から申し上げますと、対象にならないわけではないが、保険金を削減されたり、もらえないケースもあります。
1 戦争その他の変乱によって死亡した被保険者の数の増加が、この保険の計算の基礎に影響を及ぼすと会社が認めたときは、前条の規定にかかわらず、会社は、死亡保険金を削減して支払います。
2 つぎのいずれかにより給付金の支払事由に該当した被保険者の数の増加が、この保険の計算の基礎に影響を及ぼすと会社が認めたときは、前条の規定にかかわらず、会社は、給付金を削減して支払うか、または給付金を支払わないことがあります。
出典:SOMPOひまわり生命 医療保険 約款
(1)地震、噴火または津波(2)戦争その他の変乱」と記載があります。
戦争時の保険の扱いを整理しましょう。
要約すると、表にも記載がありますが、
戦争時は損害保険は全て対象外です。
生命保険は対象となりますが、保険金額が削減される可能性があるということを理解をしておきましょう。また、医療保険は保険金額の削減またはもらえないケースもあります。
火災保険については、始めの段落で説明した通り、対象外になります。
建物の損害は、戦争時には多発します。そのため、保険会社のリスク管理のために、対象外としているという事でしょう。
傷害保険については、説明をしていなかったので解説します。
傷害保険は、突発的な事故で死亡した場合の保険です。病気以外の理由で亡くなったときと解釈すると分かりやすいでしょう。
比較的、傷害死亡は頻度が少ないため、高額な死亡保険に割安な保険料で加入ができる特徴がありますが、戦争時については、補償対象外としています。
次に、生命保険、医療保険ですが、こちらは、保険法では免責といって、補償対象外とすることも可能です。
ただ、SOMPOひまわり生命を例にしていますが、こちらの会社では、対象としています。
ただし、保険金額を削減する可能性があるので、その点には注意しましょう。
保険種類 | 戦争時の補償の可否 |
火災保険 | 対象外 |
傷害保険 | 対象外 |
生命保険 | 対象ですが、保険金額を削減する可能性あり |
医療保険 | 対象ですが、保険金額を削減またはもらえない可能性もあり |
戦争は起きないことが一番大事です。
全国民が武器を持たなくなれば、平和になることでしょう。
平和な世の中であることがどれだけ有難いことか、今一度、日々の生活に感謝したいですね。
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